ACTIVITIES
- 第1回ピアサポーター養成研修会 -
「ピアサポートとは? -語り聞くことを中心に」
日 時:2019年9月23日(日)
10:00~12:000
場 所:東京都渋谷区
内容 :「ピアサポートとは? -語り聞くことを中心に」
講師: 富山大学 人文学部 准教授 伊藤智樹先生
参加人数:32人
※以下の家族会の世話人が参加しました。
高志キッズ(富山)
ハイリハキッズ (東京)
ハイリハキッズ ジュニア (東京)
ハイリハキッズ 埼玉(埼玉)
アトムの会(神奈川)
エルダーフラワー(神奈川)
聖隷三方原(静岡)
みずほキッズプラス(愛知)
ピアサポーター養成研修会について
2019年9月に「第1回ピアサポーター養成研修会」を実施しました。毎年キッズネットワーク宿泊イベントにご参加いただいている富山大学の伊藤智樹先生を講師にお招きしてピアサポートの「基本の基」を学術的なアプローチと実際の事例を踏まえてご講演いただきました。参加者はキッズネットワークに参加している家族会の世話人と、家族会活動をサポートくださっている医療専門職の先生方です。講演を終えて参加者から「たくさんの気づきを得た」「もっと詳しく知りたい」と研修会のさらなる開催を希望する声をいただきました。
これまで様々な地域で高次脳機能障害の子どもをもつ家族の心の拠り所となってきた家族会がその継続性を失うことなく次世代のご家族へバトンをつなげるように、また各地の会の活動や運営について情報交換、意見交換の場として機能できるように、今後もキッズネットワークの活動の一環として継続的に実施することを考えています。
参加者の感想
・サポートする側はけっして気負うのではなく「聴く側の一部になる」ということばが印象的でした。その場で解決していくものではないので、その場その時を共有し「わかってくれる人がいる」と相談者に感じてもらうことが大事だと改めて思いました。
私もそうしていただいたように!!
・ピアサポートについて理論的な話から、実際の事例を通して具体的に…ととてもバリエーションのある内容で勉強になりました。混沌とした物語をあるがままにまず受け止める…。簡単なようでとても難しいと痛感していますが、本日の講演からヒントをいただきました。ピアサポートについてこのように理論的に学ぶことで「なんとなく」ぼんやりしていたものが方法論として整理することができました。
自分の経験を一人称で語るだけでもというお話も大変参考になりました。
・「どうしても何かしなければ」「有意義な助言をしなければ」と構えがちでしたが、『場の提供』や自分の話を『一人称で語る』ことが大切であるとお話しいただき、気持ちが楽になりました。「場」の大切さからスタートすることを改めて理解できました。
・まさに障害受容ができず混沌とした状況にあるご家族にうまいことばが見つからずどう対応したらよいか悩んでいましたが、その方の物語を読むつもりでどんな風に変化していくのか読者になればいいのだと理解し大分気持ちが軽くなりました。大変勉強になりました。ありがとうございました。
・自分が口下手なので私なんかに話をしても満足できないのではと心苦しく思っていました。でも自分が構えていて何とかしなければ…と大変力んでいたのだなと先生のお話を伺いホッとしました。一人称で上手に返してあげられる自信はなかなか持てませんが。気楽にしゃべれる場を目指して頑張ってみようと思います。ありがとうございました。
・分かりやすいお話でとても楽しく聞くことができました。また、自分の仕事(介護福祉士)にも生かせることもあり、参加して良かったです。
・ハイリハキッズの家族グループで行っていることがなぜ新しく来た家族を楽にして
次にずいぶん様子が変わっていくのか…その理由をお話を通して整理していただいたように感じています。障害や困難に共通なところと本障害特有な面からのアプローチが分かりやすかったと思います。
・様々な障害を抱えている人たちのピアサポートについて分かりやすく、しかも基本をきちんとおさえてお話しいただけてとても参考になりました。先生の語り口がとても共感的でホッとできる雰囲気がただよい良い研修になりました。ありがとうございます。
・家族会で相談を受けている立場ですが、再確認したこと、今後相談者となる方へのアドバイス等、参考になりました。
・これまでモンモンとしていたことが腑に落ちました。患児の親歴が長いことで、またいろんな親たちを見てきたことで「何ができるか」「どうすれば気持ちをUPしてもらえるか」等を考えすぎ、どんなタイプの方ともそつなく対応しなければと思っていましたが、大事なのはマッチングであり、どんな人とも向き合わなければいけない訳ではない、自分の経験が活きないケースでは「パス」でもいいのかもと思えました。
一人称での語り、相手への影響を考えすぎず、かつ過去の自分の「その時の想い」を語っていきたいと思います。ありがとうございました。
・年に2回定例会を開いておりますが、当事者の息子も25歳になり聞く立場が多くなりました。今日のお話を聞いて、改めて「ピアサポート」という意味が分かったように思えました。実は新しく参加された方に支えてもらっているということばを実感しました。相談されるのではなく、おしゃべりしたい(されたい)感覚がとても大切なことと思えました。
・今回参加して、同じように生きづらさを抱えている家族としてどのように対応していけばよいのか不安や分からないこと等々ありましたが、なんとなくですが自分の中で整理することができたと思います。先生のお言葉の中で一歩下がって注目することとありましたが、それは自分自身を語りながら、人の話を聞く中でも必要なんだと改めて思いました。
・語り聴く➡物語の発想を持っていなかったのですが、研修を受けてすっぽりと納得がいきました。一人の読者として当事者(物語の登場人物)とほどよい距離を保つことの大切さを学びました
・先生のお話でよく語られているナラティブアプローチの考え方を知り、ピアカウンセリングをさせていただくことに不安があったのですが、気負わなくていいんだありのままの自分、自分の物語か?来談者に役立つものになるかもしれないと思え難しく考えず、来談者の話を聞けるようになりました。
・ピアサポートの有用性についてよく学べた。家族会に来たことがない夫に聞いてほしい話です。単に情報交換の場(特に公的支援等についての)機能だけではないことを本当は理解してほしいのですが。
・回復の物語を焦点にすえて整理することに気付けてよかったです。桃井さんのサロンへの3つの参加理由は、ピアサポートに限らず受傷された当事者・家族が外に出て人と接する機会を持つポイントになると感じています。
・同じような経験をしていても、全く同じではないということを踏まえてどのような心構えで話を聞けばよいかについてわかりやすくご説明いただけたと思います。
これでよいのだと安心された方が多くいらっしゃったと思います。
・アステラス製薬の事業をご紹介いただきありがたかったです(他多数回答あり)
・回復の物語とそこから距離を置く…はとても分かりやすかったです。今後話を聞く際に混沌とした物語を聞くことの自分のモヤモヤを受け容れることができるし、また今までとはちがう目線で話が聞けるような気がしています。
・どうしても相手に良い方向に向かってほしい気持ちがあり、なかなかそうならない場合自分に問い続けてしまいがちですが、先生の「場の一部であること」「場があることの大切さ」に合点がいき、心が救われました。
・本人の語る物語が大事であることがよくわかりました。回復のいたらないことや苦しいというところ、新しい気づきでした。ありがとうございました。私自身、子どもが小学校に上がった時は「もう治ったのよ」を友人に話したことを思い出しました。多くの方と話すことが必要だと感じる毎日です。話す場ひとつひとつを大切にしていきたいと思います。また、先生のお話を聞く機会を楽しみにしております。
・支援者として心理士として高次脳をお持ちの方とのご家族の支援をしています。支援者として「ご本人・ご家族を支援する」といった場合、何ができるのかという点はこの職に就いてからずっと悩んでいたことでした。高次脳の課題を整理したり、気持ちの傾聴をしたり、技法としては様々ですがその人の求めていることや悩んでいることは何か悩むことが多かったです。本日の講義を伺い「相談ができる場」とは別に物語を語る場が大切であると学べました。支援者はピアサポートはできませんが、2つの場を意識した支援に取組むとともにご家族や家族会の方のお力もお借りして、支援に取り組みたいと思います。貴重な機会をいただきありがとうございました。
・素晴らしいご講演でした!!ピアだからこそできることとプロのカウンセラーではない前提で何を気を付ければいいのか。ピアサポートをしたい方たちにとってとても役立ったと思います。(そうではない立場でサポートしてきた私にもとても学ばせていただいたことがありました)